北九州の臨床心理シランの室です。
左官という仕事のようですが、あなたはどのような立場にあるのでしょうか…一人前、それとも、まだ修行や見習いの段階の人で、先輩から学ぶ立場にあるのでしょうか。
それによっては、対応は変わると思いますが…。
以下に対応策2つ述べてみます。
まず一つ目は、年配の方の言動に振り回されない自分になる…彼をトータル的に理解するように努める。
今のあなたは、彼のものの言い方、特に自分のことを「おい」とよぶ言い方などの荒々しい言い方や、些細なことや過去のことまで、しつこく言うかたに疲れ傷ついていますが、彼の他の面をどのくらい知っているでしょうか…(そんな人のことなど理解したくないし、知りたくもないかもしれませんが…(笑))
彼は、誰に対しても、あなたに言うような言い方をするのか、それともあなただけなのか、よく観察してみることです。
また、彼の他面…たとえば、仕事が細かく、きれいな仕事をする。よく気がつく。また健康状態や家族や彼の趣味など、彼の背景をどのくらい知っているでしょうか…。
彼の荒々しい言い方という一面以外を知ることによって、同じ人間としての共感が生まれ、相手を立体的に理解することも可能になり、そのような言い方をする年配の方を受け入れることができるようになるかもしれません。
彼から放たれる一方的な荒々しい言動や、しつこい言動に受け身になるだけでなく、積極的に彼の性格を含めた彼の事情を理解しようというものです。「彼はそんな人なんだ」と思えば、振り回されることも少なくなると思います。
左官や大工(土建建築関係)に携わる方は、職人気質の方が多く、こだわりが強かったり、ぶっきらぼうであったり、人を「おい」と呼んでみたりなど、サラリーマンの世界とは異なる荒々しい人が多い業種でもあります。
では、それでいいのかというとそうではないと思います。そうした業界に若手が育ちにくいのも、年配者の旧態依然とした言動も原因していると思いますので、彼らも改善が必要だと個人的には思います。
次の対応策は、年配の方に自分の気持ちをありのままに伝えてみることです。
これは勇気がいる行為です。相手の方は、自分の言動が、あなたを疲れさせたり、ストレスになったりしていることに気付いていないと思われます。言われないと気づかないのかもしれません。
時と場所と相手の状態をみはからって、昼休みなど、リラックスしているときなど、一対一になり、「ゆっくりのところ失礼しますが、少し、話を聞いてくれますか。私には、名前がありますので、声をかける時は、「おい」ではなく名前を呼んでくれませんか。「おい」などと言われると、私は気分が悪くなるのです。よろしくお願いします。」など。他の言いたい不満に思っていることも、タイミングを見計らって、上手に話すとよいと思います。
実際に話をする前に、頭の中でイメージトレーニングをするとよいでしょう。
あなたと年配の方が向き合って話をする場面を思い浮かべ、実際に想像の中で会話をしてみるのです。何通りかの会話のパターンを作り練習すれば、本番では感情的にならず、冷静に話ができるようになります。
今後の長い人生のことを考えると、今回のことを機に自己表現力を高める努力をされることは大事なことと思われます。
自己表現力は主に三種に分けることができます。
1攻撃的な自己表現…自分のことだけを考えて他者を踏みにじるやり方。
2非主張的自己表現…自分よりも他者を優先し、自分のことを後回しにするやり方。
3アサーティブ(自他尊重の表現)…自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方。
あなたは「非主張的」な自己表現力傾向があるかもしれませんね。(日本人には多いようです)
非主張的な人の特徴…黙る。服従的。承認を期待。相手まかせ。他人本位。依存的。自己否定的。消極的。卑屈。引っ込み思案。
対人関係や他者に対する言葉や振る舞いは、鏡に映る姿のようなものです。怒った顔で対面すれば、怒った顔が映ります。相手を尊重すれば、相手から尊重されます。
「できる」「大丈夫」「心配ない」など肯定的な言葉を自分に投げかけることは、とても大事なことです。強く思い込むと現実化することもあるからです。勇気を出し希望をもって前に進んでみてください。