臨床心理シランの室です。
職場での人間関係がストレスになっていることはよくあります。現代社会でのストレスの大半は、人間関係が原因と言われています。あなたの職場のように外国人(モンゴル人)がいる職場も増えてきているようです。
モンゴル人といえば、大相撲の日馬富士や朝青龍などの横綱が思い浮かびます。
彼らは日本文化の理解や日本人の行動様式がなかなか理解できず、自国の考えや、やり方を通そうとして、相撲界の顰蹙(ひんしゅく)を買い、中には横綱の地位を追われた人もいます。異国の人の理解は難しい部分があります。日本人の文化と全く異なる文化で生きてきたため、行動の仕方も考え方も異なるからです。
外国人でなくとも、同じ日本人でも、自分以外の人の理解は難しいものです。わかっているようで、その実わかっていないものです。それゆえ、トラブルやすれ違いも多くなります。
人の心は見えません。
見えない心は、外側の見える姿…表情や行動となって表れてくることもありますが、それがその人の本心を表しているかというとそうは言えません。なぜなら人は本心を隠し、演技することもできるからです。
そのモンゴルの方が、大きなため息をつくのは、なぜなのでしょうか。あなたが憂鬱に感じるぐらいだから、
あなたという人間に対して、ため息が向けられているような気もします。
対処法を以下に述べます。
まず、その人の大きなため息が出る行動を、よく観察してみることです。感情を交えずに、事実をよく見ることです。本当に自分に向けられているかどうかを見極めることです。
次に、もし自分に向けられたものであることがわかれば、その原因を探ってみましょう。あなたとその人の関わりがもたらしたものなのか、ちょっとした誤解があったのかどうか、周囲の人に尋ねてみるのもよいと思います。
最後は、直接に話し合いをすることです。上司か誰か適切な人に間に入ってもらうとよいと思います。日本語がわからなければ、わかる人に間に入ってもらい、「なぜ、私に対して、大きなため息をするのか、その理由をきかせてください。もし、わたしが、あなたに失礼な事をしたことがあるのなら、改めていきます。理由を聞かせてください。同じ職場に勤務しているのですから、お互いに気持ちよく勤務したいと思いますが、どうでしょうか」などと、直接話し合いをもつことが一番、効果的な方法だと思います。
嫌いな人と付き合うには、一種の人間的修業が求められます。
他者は、自分と違う存在という一点で、その人から学ぶことができます。他者から学ぶという姿勢をもてば、苦手な人に対しても、その人を見る目が変り、関わり方が変ってくると思います。
人間はどんな人も、かけがえのない素晴らしい個性を持っています。
鏡に向かって微笑めば微笑みが返ってきます。同様に、相手を尊重すればやがて相手から尊重されるようになります。
金子みすずさんは、「みんなちがってみんないい」と詠いました。みんな個性があり違うのです。
相手の個性を認め、尊重できるようになるとき、苦手な人ともうまく付き合えるようになるでしょう。
受動的姿勢から、能動的姿勢に変わることが、あなたには必要だと思います。